2020年度

2020年9月23日

秋らしい気候になってきました。理学部の中庭のハナミズキが赤い実を付けました。

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ハナミズキが赤い実をつけました

 1年生が入学して早半年が経過しようとしております。コロナ禍も落ち着きつつありますが、まだ予断を許さない状況です。毎年、夏から秋にかけて、市内ではいろいろなイベントが開催されるのですが、今年は中止にされるものも多いですね。山口の夏の風物詩である七夕ちょうちん祭りも今年は中止でした。このお祭りは市内の中心部の通りに、七夕飾りのように竹につるされたちょうちんが飾られ、とてもきれいなお祭りです。せっかく縁あって山口に住むことになった山口大学の学生にも是非見てほしいお祭りです。しかし、研究室の学生に聞いてみると、半数以上の学生が見たことがないと言います。翌年の3月には卒業して山口を離れてしまう4年生に、今まで何度か最後に見に行くように薦めました。
 シルバーウィークの4連休の山口市は天気が良かったので、自転車で市内探索してみました。4月に山口で暮らし始めた1年生、コロナ禍で大学にも行くことができなかった時期もあったので、山口市内の探索などしていない人がほとんどなのだろうなあと思いながら。山口市は室町時代にはとても栄えていた古い街です。山口大学の創立時のキャンパスは市内中心部にありました。その旧キャンパスがあったすぐ近くに一の坂川という小さな川が流れています。すでに過去の学部長のつぶやきでご紹介したように春には桜がとてもきれいです。
 6月にはゲンジオタルが飛び交います。両岸にはとても雰囲気のよい古い町並みが続きます。若い人がやり始めたお店などもぽつぽつ。最近は老舗のお茶屋さんが移転して店を出されていました。抹茶やほうじ茶のアイスクリームが美味しいです。この度も寄ってみました。多くの人が来店されていました。(密を避けるために店の外で待っていました。)やり方次第では、観光客をはじめ多くの人を集めるだけのポテンシャルをもっている地域だと思います。徒歩圏内には国宝瑠璃光寺五重塔や山口カトリック教会もある亀山公園なども。中心商店街からも徒歩圏内です。地方創生、都市部のように新しいものを創ろうとするばかりでなく、今あるものを前面に出して「新しいものにする」アイデア創生も重要なのではないかと思います。もともと人が密集していない街なので、1年生もいろいろと探索してほしいものです。よいところがたくさんありますよ。

20200923-03.JPG山口市内中心部を流れる一の坂川。4月は桜がとてもきれいです。6月にはゲンジボタルが飛び交います。

20200923-04.JPG一の坂川の両岸はとても雰囲気の良い通りです。


20200923-05.JPG老舗のお茶屋さんも店を出されています。アイスクリームが美味しいです。

20200923-06.JPG国宝瑠璃光寺五重塔も徒歩圏内。

2020年9月14日

 皆さんは毎日、水を飲む習慣がありますか?ヒトにとって生きていくためには水は必須ですね。「のどが渇く」→「水が飲みたくなる」はヒトが生きていくために身に付けたもの。皆さんは水をどのようにとっていますか?食事中に水やお茶を飲んだり、休憩中に水やお茶、あるいは、清涼飲料水などを飲んだり人それぞれだと思います。

 私は、1年に1回、人間ドックを受診します。結果が出た後に生活指導を受けることもあります。そのときに、毎回「1日に飲む水の量が少ない」という指摘を受けます。11.5 L程度の水を飲んでくださいと言われます。私は食事以外、水やお茶を定期的に飲む習慣がないのです。朝は300ccの冷たいお茶を飲みます。コーヒーは1日何杯も飲みます。さらには、夜は週23日くらいでビールやお酒を飲みます。医学的にはそれではまったくの不足だそうです。コーヒーでは利尿作用があるのでだめだとも言われます。私が水を飲む習慣がないのは、おそらく、小中学生時代のクラブ活動の影響が大きいです。「練習中には水を飲まない。」という今となっては非科学的な悪しき習慣によるものだと思います。そのため、水を飲まなくても我慢できるようになってしまいました。
 今年の人間ドックの成績は昨年度よりも少し悪化しました(GPAで言えば0.1程度)。そのため、すでに遅いかもしれませんが、水を飲む習慣を身に付けようと頑張っています。ただ、私の性格上、なかなか習慣化できないと自覚し、楽しく習慣化するための方策を考えました。そこで始めたのがいろいろな水を飲んで味比べをすることです。皆さんは水の味に敏感ですか?日本は水道の水が直接飲める国です。地域ごとに水道の水の味は全く違いますね。匂いがしてまずいところ、気にならないところ。
 私が今やっているのは、身近に入手できるナチュラル・ミネラル・ウォーターを主とする飲料水の飲み比べです。画像ように周囲の人に協力いただき、いろいろなものを集めて飲み比べております。手に入る水は成分やその含有量もさまざまです。おかげさまでどうにか1日に1-1.5 Lのノルマを果たしております。しかし、味比べの方は、結論から申し上げると、さっぱり区別がつきません。たまに、少し値段の高いもので個性的な味がするものはありますが、そのあたりのスーパーや量販店で手に入るものはまったく味の区別がつきません。これが、日本酒やビールであれば区別をつける自信があります。昔、素人利き酒大会に出場し、1番になったこともあります。とにもかくにも、水を飲むことを習慣にするという目的に向かっては前に進んでいるので、まあよしとします。人間は生きるためには水が必要です。皆さんも水を定期的に飲むことを心がけ、そして、水を大切にしましょう。

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周囲の方々に協力いただいて集めた水。毎日、いろいろな種類が増えていきます。

2020年8月18日

 今年の日本のお盆は例年とはかなり様子が違っていたようですね。新型コロナ禍、大学もさまざまなところで影響があります。例年は高等学校が夏休みになるこの時期、多くの国立大学ではオープンキャンパスが開催されますが、今年は中止になったり、オンライン方式で実施したりする大学も多いようです。
 山口大学はオンラインオープンキャンパスを開催中です。理学部は89日(日)に開催しました。例年であれば、オープンキャンパスの日は多くの来場者で賑わいますが、今年は関係者のみが建物の中で運営する程度で、それは静かなものでした。
 私は当日、責任者として理学部長室で全オンラインプログラムを監視し、うまく進行していることを確認しながら、オンラインで参加してくださった多くの方々の声を聴かせていただきました。理学でも全部で20以上のプログラムを実施しましたが、それには教員はもちろん、たくさんの理学部の学生の皆様も関わってくれました。

 オンラインオープンキャンパス、今後はさまざまな大学で定常的に取り入れられるのではないかと思います。オンライン方式と実際に来学いただいて体験していただく方式のオープンキャンパスをうまく組み合わせて、本学部で学修することの魅力をうまく伝えることがとても大切になりそうです。いろいろな大学がさまざまな工夫をするに違いありません。来年のオープンキャンパスに向けて、すぐにスタートを切る必要性を感じております。

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理学部本部(理学部長室)

2020年8月4日

 夏です!前回の学部長のつぶやきを掲載した直後、山口地方は梅雨明けし、いきなり猛暑が続いております。

 昨年20191128日掲載の学部長のつぶやきの記事でもご紹介しましたが、私の徒歩通勤路に栗の木があり、毎年秋には毬栗が歩道に落ちております。本日、緑色の毬栗数個を発見しました。梅雨明け1週間、すでに早く猛暑が収まり秋にならないかなと思っています。

20200804-1.jpg通勤途中に落ちている毬栗

  さて、理系学部の多くの学生や大学院生の中には、研究活動の一部で実験を行っている人がいます。実験にもいろいろとありますが、その中には高価な最先端実験機器を使用するもの、大型の実験設備を使用するもの多種多様です。私の研究室の学生は、通常は山口大学が保有する実験装置を用いて実験をしていますが、ときどき他の機関が管理している大型の実験設備を使わせていただいて実験することもあります。
 他機関の大型設備で実験をする目的は、もちろん自身が進めている研究目的達成のための実験事実を得ることですが、それ以外にも経験を通して、学生はいろいろなことを学びます。まずは、実験を行う際に必要な安全に対する意識の一般的な理解ができます。大学内あるいは研究室内では、そこで決められた安全のためのルールの下で実験を行いますが、それは山口大学あるいは当該研究室に似合った狭いルールになっていることもあります。しかし、外部で実験を行うと、そこで定められたルールに基づいて実験を行いますので、一般的な安全に対する考え方を理解し、その意識をもつよい機会となります。
 外部で大型設備を使って実験するときには、時間が限られています。さらに、わざわざ出張して実験するため、費用(もちろん研究費から出します)がかかります。そのため、やり直しがきかないので、実験計画をたてるときには、学生と教員で極めて綿密な打ち合わせを行い、具体的な実験計画をたてるとともに、予備実験等を繰り返して臨みます。このような計画性をもって物事に臨む能力を身に付けることができます。また、実験の実施には現地のスタッフの方々のお世話になります。したがって、自分たちのやりたい実験内容を正確にスタッフの皆さんに伝え、実験に協力していただく必要もあります。ここでもコミュニケーション能力が身に付きます。
 何はともあれ、学生は最先端の大型設備や機器を使って実験することはそれなりにやりがいを感じるようです。喜んで実験に取り組みます。理系の学生は授業料の何倍もの費用をかけた実験を行うことができるというメリットもあります。
 画像はシンクロトロン放射光施設である九州シンクロトロン光研究センター(佐賀県鳥栖市)に大学院生2名と出向いて実施した実験の様子です。私の研究グループでは、今年度はこの施設を使って年間10日間の実験を行う申請が認められました。この施設で発生する強力なX線を使った実験をすることは私たちが進めている研究にはとても有効です。それが10日間も使えることはとてもありがたいことで、関係の皆様方には感謝いたしております。有益な研究成果を出すとともに、大学院生の成長をしっかりと支えていきたいと思います。

20200804-2.jpg九州シンクロトロン光研究センター
(佐賀県鳥栖市:鳥栖プレミアムアウトレットの横にあります。)

 

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BL11というビームラインを使って実験をします。右側は実験ハッチの内部です。強力なX線を使うため、X線照射中は実験ハッチ内部には立ち入ることができません。施設内にはいくつかのビームラインがあり、それぞれ別の種類の実験が行われます。

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実験操作はすべて実験ハッチの外側から遠隔操作で行います。最先端の実験設備を使用しているにもかかわらず、手作りの実験装置を持ち込んで実験します。

2020年7月30日

 今年は梅雨明けが遅いようですね。東北地方の豪雨災害が気になるところです。山口市内、本日、朝から気温が30˚Cを超えていそうです。いよいよ夏到来でしょうか。新型コロナウイルス感染が急激に増える中、そろそろそれが日常化しているような雰囲気。ここは自然科学をかじっているものらしく、自然とどのように向き合い、どのように共存するかを考えていかなければと、後期からの授業をどのような実施すべきか、悩ましい日々が続く今日この頃です。
 「学部長のつぶやき」、理学部長ですのでつぶやく記事は、みなさんに「へえー」とか「そうだったのか」のような小さな知的発見をご提供するものにしたいと常日頃から心がけております。しかし、最近はどうしても新型コロナウイルスの話題が多くなっており、いささか反省している次第です。まあ、それだけ走り回っているという状況だということですが。
 そのような中、山口大学理学部教員の中で数少ない「詩人」の一人、山中副学部長から久々に「ぼやき」をいただきました。おいしそうですね。



災禍に思う 2020 夏

梅雨長く 青空見えぬ 

いつしか 雨音やめば 蝉の音 もどる 

雲切れず 夜空もけぶる 

雨音やめば つかの間 蛙の歌に おきかわる

2020 夏 

生き物の 生命力に 安堵した  

人と向き合い 自然と対す

リベラル・アーツ 2020 秋 冬 

したたかに 後半を戦おう


 

 ところで 最近 月 お目にかかっていませんね 
 月泥棒の仕業でしょうか
 だとすれば 月がもどされ そして つきあかりが届くでしょう

  梅雨明けの 月夜待ちわび つきあかり  

                 巣篭もる夏に 旬のともし火

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 写真は山口県内で収穫された「つきあかり」という品種のモモです。月灯りと感じる素敵な色彩を放ち、惚れ惚れしてしまいました。 食卓彩る夏の果物が旬をむかえています。瑞々しく甘く、ほおばると笑み。いよいよ夏本番です!

厳格な つぶやき記事を 尻目にし 甘味に走る おひさのぼやき  

山中 明

2020年7月24日

 723日(木:海の日),724日(金:体育の日)の2日間、山口大学は授業実施日でした。巷では4連休の方々も多いようですが、山口大学の学生は授業を受けています。これは、3月末からの新型コロナウイルス感染拡大の第1波の影響を受け、学年暦を組み直したためです。
 その新型コロナウイルス感染ですが拡大しております。山口大学では、徐々に対応を緩め、対面授業を許可方式で徐々に実施していました。しかし、すでに報道され、本学のWEBサイトでも発表しておりますが、先週、本学学生1名の感染が明らかになりました。そのため、現在は授業がオンラインのみの状態に戻っています。(すでに感染拡大はなく安全であることが確保されたため、この措置は1週間で終わりになり、一部で対面授業が再開されます。)
 この度、大学の構成員で初の感染者が出たため、私も緊急対応に関わりました。その中でたくさんの貴重な経験をし、いくつかの大切なことがわかりました。「何を今さら」というべきことばかりかもしれませんが、敢えてご紹介します。
 県や市が感染情報を発表します。発表をするため、さらに感染拡大を防止し、地域の皆さんの安全確保のため、県、市の職員、保健所、職場、学校、地域等々、とても多くの方々が協力し、献身的に動いてくださっています。これについては、関係者として関わり、あらためてよくわかりました。本当に感謝です。
 緊急時には、迅速に正確な情報を収集し、それを関係機関で共有することはとても大切です。特に、この度は県、保健所と本学がうまく連携し、迅速に対応して接触者の把握や検査等を実施できたと思います。山口大学の中の部署間の連携についても、もちろん反省点・改善点は多くありますが、概ねうまくいったと思います。特に、学部間で接触者把握の情報がうまく共有でき、先手を打つことができる場面も多くありました。とにかく、あいまいな情報は、さまざまなチャンネルを使って確認し、その場で正確なものにしていく作業はとても重要です。
 次に、メディアの誤報やSNSの根拠のない情報に振り回されないことも大切です。当初、不正確な報道が一部でありました(大学のWEBサイトをご覧ください)。その報道は事実とは異なり感染者本人が傷つく可能性があるようなものでした。特にこの度の感染の経緯については、すでに報道等で明らかになっているとおり、感染者は被害者的な面があります。SNSの情報については、いうまでもありませんが、信ぴょう性に欠けるものも多くあります。
 さらに、関係者が今、最優先することは何か(感染拡大防止と安全確保)をしっかりと共有して動くこと、とても重要です。批判等はあとでゆっくりすればよく、今、すぐにやらなければならないことを集中して遂行しなければなりません。
 最後に反省点です。私たち大学教員は研究者であり、このような事態の際に、ついつい自分の専門分野のやり方に準じて考え、行動しがちです。事態を客観的に広くとらえ、瞬間瞬間でベストな対応を考えていく能力が問われます。自分自身、まだまだだと思いました。
 この度は学外の関係各所の方々にはとてもお世話になったことと思います。感謝いたします。早く、新型コロナウイルス感染拡大が収束することを祈るのみです。

2020年6月29日

 入梅し、すっきりしない天気が続いております。
 さて、私たち自然科学の研究を行っている大学人、日常さまざまなところで課題解決の場面に出くわします。研究活動はその繰り返し、それ以外でも大学・学部の運営、学生の皆さん自身のさまざまな問題。特に、学生の皆さんの課題については、学生自身の個人的な事情や将来のことなどが複雑に絡んだ難題もあります。
 その中で、自然科学の研究に携わっている私たちは、そのやり方の原点ともいえる「そもそも論」に立ち返って考えることが多くあります。特に私は物理学を専門としているのですぐに「そもそも、なぜ、そうなるの?」という考え方をよくします。少し哲学的だと思われるかもしれませんが、純粋に「そもそも、なぜ?」です。

20200629-01.JPG画像1 電柱

 例えば、画像1のような電柱があります。例えば、電柱に替わるものを考えなければならないときに、「そもそもなぜ電柱なのか?」と。電柱はもともと電気信号や光信号を伝えるためのケーブルを敷設するためにあります。最初に電柱を用いる方法が発案されたときは、ケーブルがさまざまな環境に耐え、他の障害にならないように、安全性やメンテナンスのしやすさにも考慮し、コスト等々の条件を満たす最適な解の1つだったに違いありません。さらには「電柱はそもそもなぜ垂直に立てなければならないのか?」などという疑問も。力学的安定性、地面の面積を最小限にしか使わない等々の条件を満足する解が垂直に立てることなのでしょう。ただし、垂直に立てる以外の解としてはいろいろな発想があるかもしれません。当然ですが、当初はケーブルを空中に敷設する以外の「解」も考えられたかもしれません。当時の状況では最適な解ではなかったものが、現在は最適な解になることもありますね。事実、現在、都市部ではケーブルは地下への敷設が進められています。

20200629-02.jpg画像2 自動車のサイドミラー

 その昔、自動車のサイドイラーは、今のようにドアのところではなく、ボンネットのサイドのフェンダーの上に取り付けられていました(画像2)。ちょうど私が自動車の免許を取り、運転を始めた頃、今のようにドアに取り付けられるようになりました。当時は古いタイプのサイドミラーをフェンダーミラー、今のタイプのものをドアミラーと区別して呼んでいたように記憶しています。フェンダーミラーのミラーの向きを手動で調整していた時代は、出かける前の運転席に乗った父親から頼まれ、「おい、ミラーを動かしてくれ。もう少し右。よし、ありがとう。」などというやり取りをしたものです。懐かしいと思われる方もあるかもしれませんね。さて、そもそもなぜ最初はフェンダーミラーであり、途中でドアミラーに替わったのでしょうか?そのときの経緯は気になります。インターネットの普及ですぐに答えが見つかる今は、そのようなことは話題にもならないのかもしれませんが、みんなで「何々だからかも。いやそれは違う。・・・」等々、知恵を出し合って議論してみるのもよいトレーニングになりそうですね。

 研究室の学生に研究指導をする際に、新しい実験結果を学生が見せてくれたときに私は「なぜ、そうなるのかなあ?」を連発します。学生は「また先生、難しい質問をするなあ。」と嫌がっているかもしれません。しかし、自然科学はそれが基本。純粋にそう思って学生にその言葉をなげかけています。学生は「先生は答えをしっているのでしょう。」と勘違いしているかもしれませんが、もちろん私も答えなんて知りません。いかにそれを推論するかが科学です。そのような考え方は何も自然科学だけではないと思います。課題解決法、いろいろなやり方はあると思いますが、「そもそもなぜ?」を大切にしたいものです。

 最後に画像3は今から35年前、大学生のときの私の自動車です。銀色のフェンダーミラーです。

20200629-03.jpg画像3  1985年当時の自動車

2020年6月22日

 先日、自家用車を運転中に、オドメーターが59,997 kmを表示したのに気が付きました。少々子どもじみているのですが「走行60,000 km(=地球一周半)記念」で車を道路わきに止め、画像を撮影しました。(おそらく、皆さんの中にも経験のある方がおられると思います。)そこから頭の中は一気に「知りたいモード」になり、いろいろと考えて始めました。まずは、このオドメーターの計測精度はどの程度なのだろうということから。精度を考えるにはどのような方法で走行距離を計測しているかを知らないといけません。その方法は関係者の方には常識的なことでしょうが、素人なりに考えると「タイヤの回転数から導出する。」がすぐに思いつく答えです。(今は便利でネット検索すればいろいろなことがわかります。実際にはシャフトの回転数から導出するなどいくつかの方法があるようです。)20200622-1.JPGそこからさらに、タイヤのすり減りやカーブを曲がるときの左右でのタイヤの回転数の違いの影響はどの程度だろうかと知りたい虫が騒ぎ始めます。計測には少なからず誤差があります。結局、オドメーターの目的からしてその誤差は問題にならない程度なのだろうで思考は終わりにしました。
 ここで、「問題にならない程度」の判断についてですが、自分では検証をしておりません。さらに、「オドメーターの目的からして」についても、車の劣化の程度の指標になる程度しか思いつきません。ほんとうに無責任ないいかげんな思考です。
 これが自分の研究や業務に関することであれば、そうはいきません。厳密性に欠ける議論ではだれも受け入れてくれません。ここで問題となるのが「厳密性に欠ける」の厳密性の範囲・程度です。これは前提条件や、何に重きをおくか、何を対象・目的とした議論かによるかで決まりますね。例えば数学の分野での厳密性と自然科学の分野での厳密性はその意味、範囲とも大きく異なるでしょう。同じ自然科学の分野でも、物理学と生物学での「厳密性」には差があると思います。大切なのは、それぞれの分野、それぞれの場面で、何に重きをおくか、何を目的とした議論なのかを、きちんと理解して考えることですね。判断力が必要です。他人と議論する際にはそれをきちんと共有しないと議論がすれ違ったり、お互いの考え方を受け入れなくなったりします。
 新型コロナウイルス関連での議論ではそのようなすれ違いを感じることが多くあります。日本のPCR検査数に対する議論は典型的かと思います。(この話はネット上にわかりやすい解説がたくさんありますのでそれに譲ります。)
 一方で、人間社会、敢えて厳密性を追求せず、厳密性に欠ける方がよい場合もたくさんあります。昔、「君のひとみは一万ボルト」という堀内孝雄さんの曲が大ヒットしました。厳密性を追求すると「ひとみは一万ボルト? ひとみの単位がボルト?ひとみは起電力、電圧、電位???そもそもひとみは量ではないのだから単位なんてないでしょう。」そろそろやめましょうか。「君のひとみは一万ボルト」、言わんとしていることは十分に通じます。芸術的、文化的な表現等、人間の感性に関わるようなところに科学的な厳密性を持ち出すこと自体無意味ですね。「君のひとみは一万ボルト」、すばらしい表現ですね。自分では決して思いつきません。この唄、私はとても好きです。
 オドメーターの話から、厳密性の話に強引につなげてみました。たまには、このような無意味なつぶやきもしてみます。

2020年5月28日

 学長表彰と副学長表彰の授与を先日行いました。今年度は新型コロナウイルス禍の影響で延期しておりました。
 学長表彰は大井博晃(おおいひろあき)さん[大学院 創成科学研究科 博士前期課程 地球圏生命物質科学系専攻 化学コース2年生]に授与されました。授賞理由は課外活動において優秀な成績をおさめられたことによります。大井さんはライフル射撃で国民体育大会に出場されました。本学にはライフル射撃の課外活動の団体はありませんが、個人で練習に取り組まれて出場に至ったとのことです。大井さんは毎年学長表彰を授与されております。おめでとうございます。
 副学長表彰は川内夏菜(かわちなずな)さん[生物・化学科 生物学コース2年生]に授与されました。授賞理由は1年生のときに英語のTOEIC試験で優秀なスコアをとられたことによります。おめでとうございます。
 お二方の授賞は理学部としてとても誇らしい出来事です。他の学生やスタッフの励みになります。授賞に至ったそれぞれの分野において、さらなる向上を目指して今後も努力を続けていただきたいと思います。

2020年5月25日

 新型コロナウイルス感染拡大がどうにか落ち着きそうな雰囲気の中、山口大学でも徐々に平常時の授業形態に戻していく方向に舵をきりました。ただし、感染状況を見ながら、さらには周囲の様子を見ながら、段階的に徐々にという方針です。理学部では前期中は継続してオンライン講義を中心にすることになりました。私は、日夜対応に追われていた状況から解放されつつあり、ほっとしております。朝と夜の読書の時間も復活しました。
 最近、本屋さんの文庫本新刊コーナーでみつけた「ブルーネス」(著者:伊与原新,文春文庫)という小説を読みました。新しい概念の「津波監視システム」を開発する研究者の話です。とても面白いお話でした。「研究業界あるある」もたくさん出てきます。著者の伊与原 新(いよはら しん)さんは神戸大学理学部を卒業され、その後、東京大学の大学院で地球惑星科学を専攻されています。
20200525-01.jpg この小説の主人公(年齢設定はおそらく30-35歳?)は山口県美祢市出身になっていました。東都大学(もちろん実在はしません)の大学院で地球物理学を専攻したという設定です。子どものころから秋吉台や秋芳洞を身近に見ていたので、不思議な地形や景色が好きだったと書いてあります。主人公のモデルとなった方が実際に著者の知り合いにおられるのではないかと思いました。この主人公は、高校卒業後は地元の国立大学の理学部に進学したそうです。「そこに地球物理の研究室がなくて、構造地質学の研究室が活断層を扱っていたので、そこに入りました。その後、大学院では地震研に。」と主人公が言います。山口県には国立大学は本学しかありませんので、間違いなく山口大学理学部ですね。本学部には、残念ながら、確かに地球物理の研究室はありませんでした。地震は主に地球物理学という分野で取り扱います。この部分を読んだときに、確信に変わりました。モデルとなっている人物がおられる。おそらく今40歳後半くらいの方ではないでしょうか。
 このような間接的な形ではありますが、山口大学理学部が小説に登場するのはうれしいものですね。感謝です。小説自体も面白いので、是非、読んでみてください。主人公にお心当たりある方がおられましたら、是非、お知らせいただきたいを思います。

2020年5月11日

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現在、山口大学の講義はすべてオンライン方式で行われております。理学部の授業もすべてオンラインで実施中です。一部の実験・実習の授業科目については実施できていないものもあります。
 山口県内の県立高校も5月24日まで休校となっており、高校生の皆さんも自宅待機中、不安感や閉塞感に押しつぶされそうな人がいるかもしれません。そのような状況の中で、山口大学理学部で地域の高校生のために何かできないかということで、広報委員長の坂口教授の発案で、オンライン出前講義を企画しました。当初は、大学のオンライン授業への対応で多忙な中、引き受けてくれる教員がいないのではないかと心配しておりましたが、若手の教員を中心に、手をあげてくれた教員が数名ありました。さらに、山口県の教育庁の協力もあり、4月30日(木)にオンライン出前講義を開催しました。
 オンライン配信の都合上、聴講の定員は100名としておりましたが、講義開始直後に100名に到達してしまいました。うれしい誤算でした。当日は、地元のテレビ局も取材に訪れ、夕方のローカルニュースでオンライン出前講義が紹介されました。
 当日は、生物学分野の小島助教、地球科学分野の太田教授、化学分野の綱島准教授がそれぞれの専門分野の話をしてくれました。当日は私も小島助教のカブトムシに関する話の最初だけ聴講させてもらいました。高校生が興味を持つようなお話でした。実際に講義終了後は高校生から多くの質問があったようです。
4月に入って理学部の講義室はほとんど使われておりません。たまに無人の講義室でオンライン授業の収録をしたり、ライブ中継をしたりしますが、人のいない講義室で無人の座席に向かって話をするとき、その物足りなさから、なんとも言えない寂しい気持ちになります。さらに話をするのがどうしても速くなり、予定よりも短い時間で終わります。日ごろは、学生の反応を見ながら(無言のコミュニケーションをとりながら)、理解が薄いかなと思った場合は繰り返して話すことを無意識にしていることに気づかされます。
 オンライン出前講義は好評でしたので、第二弾を5月中に開催する準備をしております。次回は、数理科学、宇宙物理学、情報科学の分野のお話を配信する予定です。このオンライン出前講義は今後も定期的に開催できたらと思います。

2020年4月20日

 新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか止まりません。とても心配です。本学でも現在は学生の安全のため、さらには大学内での感染拡大を防ぐために対面授業を実施せず、遠隔授業のみ実施しています。全面休講となれば、単位を出せなくなることもあり、最悪のケースでは卒業に遅れが出るようなことも想定されます。私たち理学部スタッフはさまざまな工夫をして感染リスクを下げる対策をし、どうにか遠隔方式(主にWEB配信)で授業を実施しています。それでも理学部の場合、実験・実習など一部の授業科目にはどうしても遠隔授業では困難なものもあり、今後それをどのように実施するか、日夜、対策本部で検討しております。
 画像はまだ感染がそれほど拡大していない4月最初の時点での新学期の準備のものです。事務窓口で密集を避けるための対策とそのシミュレーションをしていました。

20200420-01.JPG4月上旬に実施した窓口での密集を避けるための対策シミュレーション

 ところがその後の状況の急変に対応し、今は学生が窓口に来ることは激減しています。問い合わせは電話やメールが基本としています。緊急事態宣言が全国に拡大した現在、今後の状況の変化に対応するために、理学部内に対策本部を作り、大学全体の対策本部と連携しながら、迅速に対応できるようにさまざまなことを想定して検討を続けています。会議も遠隔方式中心に移行しています。

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理学部対策本部で感染防止対策を検討。遠隔会議に移行。

 そのような状況の中、徒歩通勤途中でタンポポをみつけました。花壇では花がきれいに咲いています。自然はすでに春を迎えています。今年は今まで春をゆっくりと感じる機会がありませんでした。植物がしっかりと次の季節に向かっているのを見て、ここは、今一度落ち着いて考え、人間が自然の中で生きていることを再認識し、「学生が感染しない、学生同士で感染を拡大させない」を目指し、新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組む必要があると思いました。

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2020年4月2日

 令和2年度の新学期を迎えました。私自身は理学部長2期目となりました。学部長のつぶやき、あまり役に立つ記事ではありませんが、今後も引き続き発信したいと思います。今後もご愛読のほどよろしくお願いいたします。

 さて、大学関係者の新学期はご想像の通り新入生を迎える準備で毎年慌ただしいのですが、今年はそれに加え、新型コロナウイルスの感染防止対策のため、例年以上に忙しい状況です。幸い、山口県内ではまだ感染者は少なく(記事を書いた4/2時点)、首都圏や関西圏などの大都市部とは状況が違いますが、今後どうなるかはまったくわかりません。そのような中、私たちも予定されている4/13()の授業開始に向け、さまざま対策を講じているところです。特に、新入生は県内のみならず、周辺県、さらには全国から転入してきます。今後、オリエンテーション等を開催しますが、事務窓口にも多くの学生が問い合わせ等に来ることが予想されます。対応する事務職員が感染の媒介となることだけは防ぐ必要がありますので、窓口のカウンターの換気、アルコール消毒、事務職員のマスク着用等々の徹底をして新入生を迎える準備をしています。

 さらに、鳥取県内の取組をニュースで知った何人かの発案で、学生さんが問い合わせに来る窓口カウンターに透明なシートでカーテンを作りました。朝早くから、急きょ事務職員、事務長、そして理学部長である私も協力しながらの作業でした。手間は同じということで、お隣の人文学部のカウンターもずうずうしくも押し入って強引に作業をしました。学生さんとの間に「距離」が生じるような雰囲気になるので少し申し訳ない気持ちはありますが、これも感染をなるべく防止し、早く終息させるためにはやむを得ないといったところでしょうか。早く通常通りに戻れることを祈っております。

20200402-1.JPG  早朝より総動員で作業をしました 

20200402-2.JPG     10分ほどで完成

20200402-3.jpg こんな感じで事務職員が働いています

20200402-4.jpgお隣の人文学部にも作業班が強引に進出し、
係長を巻き込んで作業完了