[2015/8/26] 第5回理学部講演会

西シベリア・チャニー湖河口域における食物網内の寄生虫のリンク(鹿野秀一准教授:東北大学)
  • 何が 2015年度理学部講演会
  • いつ 2015年08月26日06時00分から07時00分までのイベント (UTC / UTC0)
  • どこで 理学部第3共用セミナー室
  • 連絡先名称 宮川 勇
  • 連絡先電話番号 5716
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【題目】

西シベリア・チャニー湖河口域における食物網内の寄生虫のリンク

【講演者】

鹿野秀一 氏(東北大学・東北アジア研究センター・准教授)

【概要】

食物網構造の研究には、餌資源とその消費者の関係を明らかにするために、炭素・窒素安定同位体比の変化(分別)による解析方法が多く使われている。しかし、食物網の研究には、ほとんどの場合寄生者は含まれていなかったが、近年実際の食物網に寄生者を組み込むことの重要性が指摘され始めている(Lafferty et al. 2008)。寄生者が宿主のどの部分を資源としているか安定同位体比を用いて解析した研究例は多くなく、寄生者と宿主の間の安定同位体比の分別が、食物連鎖のような一定方向の分別をしておらず、それぞれの寄生者?宿主関係ごとに異なることが報告されている(Deudero et al. 2002)。また、ある寄生者は生活環の中で自由生活を行う幼生ステージを持ち、自由生活幼生自体が他の捕食者の餌資源となり、食物網の中でもう一つのリンクを形成される可能性がある(Thieltges et al. 2008)。

今回は、西シベリアのチャニー湖沼群に流入する河川の河口域において、(1)植物プランクトンや藻類から魚類までの生物の炭素・窒素安定同位体比の分析から食物網構造を描くことと、(2)様々な寄生虫の安定同位体比を分析することにより、寄生虫が宿主に対してどのような分別をするかを食物網に組み込むことと、(3)巻き貝を中間宿主とする吸虫類寄生虫から放出されるセルカリア(自由生活形の幼生)の放出量と他の動物による潜在的な摂食量を測定することにより、食物網における寄生者の餌資源としての摂食リンクを推定する試みについて紹介する。