[2017/8/30]第6回理学部講演会

植物の光シグナルによる新奇遺伝子発現制御機構(松下 智直:九州大学)
  • 何が 2017年度理学部講演会 生物学コース
  • いつ 2017年08月30日04時30分から06時00分までのイベント (Asia/Tokyo / UTC900)
  • どこで 理学部1号館 12番教室
  • 連絡先名称 武宮 淳史
  • 連絡先電話番号 5722
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演題:   植物の光シグナルによる新奇遺伝子発現制御機構

 講師:      松下 智直  (九州大学 大学院農学研究院 准教授)

 要旨:

植物にとって光は、光合成のエネルギー源であると同時に、周辺環境を把握するためのシグナルとしても極めて重要である。植物は、フィトクロムなどの光受容体を用いてこの光シグナルを捉え、自らの形態や代謝を調節することで、絶えず変動する周辺環境に適応している。

フィトクロムは、細菌の二成分制御系におけるヒスチジンキナーゼを起源とする、植物の主要な光受容体であり、赤色光/遠赤色光によって可逆的に活性化/不活性化されるという特徴的な性質を持つ。これまでの研究から、赤色光によって活性化されたフィトクロムは、PIFと呼ばれるbHLH型の転写因子群を直接抑制し、その標的遺伝子の転写量をゲノム規模で変化させることによって、植物の様々な光応答を引き起こすということが明らかにされている。

我々は最近、フィトクロムが、転写量の制御に加えて、遺伝子発現のその他の過程をもゲノム規模で直接制御し、mRNAの量だけではなく質も変化させることで、植物の光応答を引き起こすことを発見した。本講演では、このフィトクロムによる新奇の遺伝子発現制御機構と、その生理学的意義について、最新の成果を紹介したい。

※本セミナーは生物科学特別講義の一部です。

 連絡先:   武宮 淳史(理・生物・植物細胞シグナル学研究室)