2019年12月24日

 師走ですね。この時期、大学では走るのは教員ばかりでなく、卒業・修了を間近に控えた学生も全力疾走中です。(余談:私は大学教員を長く務めておりますが、まだまだ「教師」の領域には到達できていないと自覚しております。)理学部の各研究室では、卒業論文の締め切り(2月中旬)まで2か月を切り、博士論文の審査が本格化し、修士論文の締め切りが1月末に迫り、卒業・修了を控えた学生にとっては追い込みの時期です。理系学部の場合は、論文のネタを集める研究には実験等を伴うものも多く、それには数か月かかるのが普通です。したがって、実際の論文の執筆開始もこの時期までずれ込む学生も多く、年末年始もお休み返上で頑張る学生も珍しくはありません。

 大学教員の重要な仕事に、学生の卒業論文や学位論文(博士論文・修士論文)の添削があります。卒業論文は私の研究室の場合は平均40-50ページ程度の分量であり、修士論文や博士論文は100ページを超えることもあります。学生にとってはこのような長い文章を書くことは生まれて初めての経験であり、ほぼ例外なく苦労します。そのような長い文章を読み、文章の組み立て、議論の内容、言葉使い等々の添削をするのは精神的にも肉体的にもかなりの重労働です。しかし、文章を書くことの重要性がよくわかっている私たちは、学生の将来のことを考えると手抜きはできません。論文指導は研究室での個別指導の重点的なものの1つと捉え、ある程度の時間を割きながら指導に励んでおります。

私は就職した企業で初めて書いた報告書(10ページ程度)を、当時の上司の方に4,5回添削をしていただいた経験があります。今になって考えると一応給料をもらっていたにもかかわらず添削を繰り返してもらうなど、とてもお恥ずかしい限りで、たいへん申し訳なく思います。ある程度の作文能力は大学で身に付けるべきです。学生の皆さんには論理展開が明確で読みやすい文章を書き、さらに自分の書いた文章を自らが推敲できるようになって社会に出てほしいと思います。

20191224-01.jpg 2月いっぱいで卒業論文や学位論文等は概ね終了する場合がほとんどですが、理系学部の学生は、論文の最終的な仕上げ、実験室や研究室の片づけ、後輩たちへの引き継ぎ等々もしなければなりません。手際よくさっさと済ませて3月初旬には社会に出る準備に取り掛かる学生がいる一方で、学生によっては3月中も研究室に出て学位授与式(卒業・修了式)ぎりぎりまで頑張る人もいるようです。人それぞれです。

 何はともあれ、卒業・修了を控えたほとんどの学生は、夏以降は正規の授業こそありませんが、大学で毎日研究に励む日々を送っております。各自、体調を崩さないように気を付けて、よい研究成果を残せるように頑張ってほしいと思います。4月からはみんな立派な社会人として活躍してくれると期待しております。就職先の企業等の皆様には温かく迎えていただきたいです。