研究テーマ

  1. 強弾性体の構造相転移

    強磁性体は自発的に磁化していて,外からかけた磁場によって磁化が反転します。強誘電体は自発的に分極していて,外からかけた電場によって分極が反転します。これらに類似したものとして強弾性体があります。強弾性体は自発的に歪んでいて,外から力を加えると歪みが反転するもので,今日では非常に多くの物質が知られています。
    [N(CH3)4]2MBr4 (M=Zn, Co, Mn, Cd など) も強弾性体です。これらの物質は室温では斜方晶で,直方体を積み重ねた結晶構造をとります。低温になると,直方体の一つの角度βが90度からわずかにずれて単斜晶とよばれる結晶系になります。温度を下げていくと,この角度βは初めのうちは増加しますが,あるところで最大値をとり,それより低温では減少して90度よりも小さくなってしまいます。このような奇妙な現象がどうして起こるのか,その機構を研究しています。

  2. 高圧相の結晶構造解析

    結晶は温度,圧力,電場などの条件によって構造が変化します。高い圧力をかけたときにだけ存在する“高圧相”は,誘電体でも数多く報告されています。高圧相の結晶構造は,それぞれの物質の相転移の全体像を理解しようとするときに基礎となるものです。しかし,実験が困難なために,原子配置まで決定されている高圧相はごくわずかで,多くは晶系や格子定数までしかわかっていません。私たちは,小型のダイアモンドアンビルを使って,単結晶試料でX線回折強度の測定を行い,結晶構造の解析をしています。これまでに,圧力約2GPa(2万気圧)まで,室温〜約200℃での測定によって,NH4LiSO4,RbHSO4,SC(NH2)2,RbZnBr4の高圧相の結晶構造解析を行いました。また,[N(CH3)4]2CuCl4に高温・高圧で5倍周期の相が存在することを発見しました。ここ数年は低温高圧での単結晶X線回折実験を試みていて,70K,1.5GPa程度の温度・圧力が達成できています。今後は,測定できる圧力と温度の範囲をさらに広げたいと思っています。

  3. さまざまな誘電体の構造相転移

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