旬な研究

山口大学理学部で行われている多彩な研究から、興味深い研究成果や広く市民に関係する研究内容を「旬な研究」として紹介します。

「レアアース含む新種鉱物発見 ─ランタンバナジウム褐簾石─」

nagashima1.JPG永嶌真理子准教授(地球圏システム科 地球科学分野)

山口大学理学部地球圏システム科学科の永嶌真理子准教授のチームが三重県伊勢市矢持町の秩父帯の山中の地層からレアアース(希土類)を含む新種の鉱物を発見したと発表。
化学組成と結晶構造を調べた結果、新種の鉱物と判明し、2013年3月1日に国際鉱物学連合の新鉱物・命名・分類委員会により「ランタンバナジウム褐簾石(かつれんせき)」と命名されました。

「超音波で血管内を観る ─血管内超音波診断IVUS─」

内野英治教授(物理・情報科学化 情報科学分野)

心臓の筋肉に酸素や栄養を送る大きな血管を冠動脈と言います。この冠動脈の内面にプラークと呼ばれる異常な組織ができ、そのプラークの破綻により血管が詰まり、心筋の一部が死んでしまうことを心筋梗塞と言います。破綻し易い不安定プラークか、そうでない安定プラークかを判断するために組織性状判別で構成されているかを知る必要があり、超音波探触子付カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入して診断します。

この診断において活躍するのが高度な情報処理を用いた画像解析です。内野教授は新たな画像解析法を提案し、プラークの組織を高精度に判別することに成功しました。



「秋吉台で新たに発見された桐ヶ台の穴の学術調査」

田中和広教授(地球圏システム科 地球科学分野)

山口県のほぼ中央部に位置する秋吉台は石灰岩からなるわが国最大のカルスト台地で、地下には450を越える石灰洞が分布しています。平成15年に発見された「桐ヶ台の穴」は秋吉台形成の初期に形成されたと考えられ、形成から今に至るまでの過去数100万年間の地形・地質・生物の環境変遷が洞穴の中に記録されている可能性があります。

山口大学理学部では、秋吉台科学博物館とともに各分野の研究者からなる学術調査団を結成し、4回の現地調査を行い、洞穴の調査、堆積物の解析などを行い、過去数100万年の洞窟発達史の解明を行っています。



「山口県中部で発見された活断層-内陸直下型地震の発生予測を目指して」

金折裕司教授(地球圏システム科 地球科学分野)

金折教授を中心とする研究グループは、山口県内に数多くの断層が存在すること、しかも比較的最近にも活動の痕跡があることを見出してきました。

例えば、山口県中南部において長さ約60kmにおよぶ大原湖断層系が存在すること、その北部を構成する木戸山西方断層が約3,500年前(縄文時代晩期)に活動したことを明らかにしています。さらに阿東町徳佐から篠目まで北東-南西方向に延びる徳佐‐地福断層が活断層であることも明らかにています。これらの研究から、内陸直下型地震の発生予測にもに関するデータが得られると期待されています。



「銀河中心のブラックホール発電」

鏑木修教授

最近の観測によって、我々の住む天の川銀河をはじめ一人前の銀河はすべて、その中心にブラックホールを持っていることがわかってきました。周囲のガスは、その周りを回転しながらゆっくりと落下してゆき、降着円盤を形成します。しかし物質のすべてがブラックホールに飲み込まれるわけではなく、その一部はジェットと呼ばれる超高速流として遠方まで放出されます。この研究では、銀河の持つ磁場の役割を重視し、磁場中の降着円盤を巨大な直流発電機としてとらえます。するとジェットは、それによって駆動されるリニアーモーターであることがわかります。この考えは、種々の銀河中心活動現象を考える上で、自然で発展性のあるモデルを提供するようです。

(鏑木教授は2008年3月に定年退職されました)



理学部紹介ビデオ

理学部紹介ビデオもご覧ください。これは「デジタル山口大学」として製作・放送されたものです。

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