2009年度

第1回理学部講演会

「南極から見る地球の自然」、大和田教授が第1回理学部講演会で講演

24日夕方、第1回理学部講演会が開催され、昨年11月から今年2月までの3ヶ月間、 南極の内陸の山地で地質調査隊を率いて観測に参加した、地球圏システム科学科の大和田正明教授が、 「南極から見る地球の自然」と題して講演しました。会場の理学部11番教室は立ち見も出るほどの盛況で、 学外から3名の高校教員、2名の他大学教員学生、学部外の職員、学部内の教員・職員・学生が 1時間の講演を熱心に聞き、地学だけでなく、化学、生物学などに関する活発な質疑が南極への関心の高さを表していました。
大和田教授ら6名の別動観測隊は、船舶で南極に移動の本隊とは別に飛行機で南アフリカ経由で南極に向かいました。 ロシア基地を経由してベルギーのプリンセスエリザベス基地の近くにベースキャンプを設営(昭和基地から600km)し、 そこを拠点に近くのセール・ロンダーネ山地を探検。6億年前と言われる西ゴンドワナ大陸と東ゴンドワナ大陸が 衝突し、巨大な一つの大陸となり、その後、南アメリカ、アフリカ、インド、オーストラリア、そして南極大陸へと 分かれた痕跡を探しました。セールロンダーネ山地はまさに、その衝突と分離の中心地だったと認識されています。 探査の結果、大陸衝突を物語る大きく褶曲し岩脈、大陸分離移動に際して地下から岩盤に貫入したマグマから できた火成岩などを発見。現在、詳細な解析中とのこと。 会場では3種類の貴重な南極の岩石を回覧し、聴衆は手にとって確かめることが出来ました。
大和田教授は今回、太陽電池パネルの活用や、燃料を押さえた給水システムの試用など、環境に考慮した活動を行ったことを紹介。 また、ベルギー隊との臨機応変の国際協力の実施にも言及。いずれも現地で撮影の写真をもとにした講演でした。
最後に、人類の影響が少ない南極から、地球の原始的な姿と環境の変化を観測することを通じて、地球と人類の過去と将来を見つめたい、そのために、地質学だけでなく、多くの分野の研究者が南極に行くことを勧めて、講演を終えました。

 

2009年9月24日

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鏡面のような氷河の向こうにある山地の地形を説明する大和田教授

関連記事  5月27日 大和田教授、第50次南極観測隊に参加

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(左)司会の川俣企画室長 (中)紹介される大和田教授 (右)満員の聴衆

 

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大和田教授が南極から持ち帰った岩石

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ベースキャンプの写真を見ながら解説

 

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挨拶する増山教授(山口大学評議員、前理学部長)

理学部教授が第50次南極観測から帰国 

大和田教授、第50次南極観測隊に参加

日本の第50次南極地域観測隊に理学部地球圏システム科学科の大和田教授が参加しました。2008年11月16日に成田を飛行機で出発、アフリカを経由して南極大陸に入り、2009年2月17日に無事帰国した大和田教授は、我が国の観測隊の副隊長であり、主としてプリンセスエリザベス基地南方の山岳地帯などの地質調査を担当しました。
南極大陸の集合と分離の過程の詳細な分析を通して大陸移動の本質を探る目的で、10億~5億年前の先カンブリア期の岩石の記載と収集を行いました。この時期は大陸移動で動いてきた周辺の大陸がぶつかり、南極大陸では活発な造山活動が行われていたことが分かっています。
山岳地帯の探検は11月23日にプリンセスエリザベス基地南方のベースキャンプ地に飛行機で移動(写真1写真2写真3)することから始まりました。キャンプ地からはスノーモービル(写真4写真5)で調査に出かけました。
ケテレルス氷河の岩壁には主剪断帯の岩石が見られました。また、グンネスタ氷河の奥には玄武岩の露頭がありました。雪渓を踏み分けて調査隊は進みました。
キャンプに戻れば、暖かい食事とくつろぎのひととき。2月7日にはベルギー隊との共同調査に臨み、任務を完了しました。

5月11日のNHK山口「ゆうゆうワイド」に大和田正明教授が出演、南極大陸での研究調査について紹介しました。


2009年5月

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調査活動

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調査地帯の地図

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ニルスランセン山を眺望する

韓国天文研究院電波天文研究本部と山口大学理学部の共同研究開始

韓国天文研究院電波天文研究本部と山口大学理学部の共同研究開始

山口大学理学部と韓国天文研究院電波天文研究本部との学術交流協定締結

山口大学理学部は韓国国立の天文学研究機関である韓国天文研究院の研究部門「電波天文研究本部」と2010年3月15日付で学術交流協定を締結しました。山口大学理学部では国立天文台との共同研究として山口32m電波望遠鏡を活用した研究を進めています。また、韓国天文研究院では韓国内の3台の電波望遠鏡で構成される韓国初の電波観測網「韓国VLBIネットワーク」が2009年より観測を始めています。地理的に近接する双方の電波望遠鏡が共同観測を行うことにより単一の電波望遠鏡を用いる場合に比べて観測精度が飛躍的に向上します。これらの理由から、両者の研究協力をより円滑に進めるため今回の協定締結に至りました。今後は共同観測・研究を通じた天文学への貢献はもちろん、学生を始めとする若い世代の交流を推し進めてゆきたいと考えています。

文責 物理・情報科学科 輪島清昭

 

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写真1: 協定書に署名する田中和広理学部長(左)と金奉奎電波天文研究本部長

 

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写真2: 協定書の交換を終え両者が握手

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写真3: 協定書を前に談笑する田中理学部長と金本部長

 

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写真4: 報道各社のインタビューを受ける田中理学部長

 

ミニワークショップ「KVN-山口アレイで狙うサイエンス」

山口大学理学部と韓国天文研究院電波天文研究本部との学術交流協定締結を受け、両者が協力して今後進めるべき研究について意見交換するための小研究会「KVN-山口アレイで狙うサイエンス」を3月16日に開催しました。韓国宇宙電波観測網(KVN)および山口32 m電波望遠鏡の観測システム整備の状況や両者の共同観測で狙う研究テーマなど、合わせて12の研究発表がありました。地理的に近接する韓国と山口とで構成する電波望遠鏡ネットワークは規模としては比較的小さいものの、そのコンパクトな構成と双方のフットワークの軽さを活かして、星形成領域や活動銀河の観測で独創的な研究を進められることが分かりました。研究会のまとめの議論では、年内の共同観測実現に向けて観測システムを整備することや個別の研究テーマについて双方で連絡を取り合って観測準備を進めてゆくことなどで意見が一致しました。小規模ながらも稔りの多い研究会でした。

文責 物理・情報科学科 輪島清昭

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写真1: 活動銀河の観測研究について紹介する孫烽源博士

 

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写真2: 興味深くもユーモアのある発表が続き笑みもこぼれます

 

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写真3: 双方の発展を祈念して記念撮影

 

第9回理学部講演会 「Astronomy in Korea(韓国の天文学)」
韓国天文研究院電波天文研究本部長 Kim Bong-Gyu(金奉奎)博士

 

山口大学理学部と韓国天文研究院電波天文研究本部との学術交流協定締結を記念して、3月17日にKim Bong-Gyu(金奉奎)電波天文研究本部長にご講演を賜りました。「Astronomy in Korea(韓国の天文学)」と題した講演では紀元前より続く韓国の天文学の歴史と現在進められている最新の天文学研究プロジェクトが紹介されました。韓国・慶州に現存する東アジア最古の天文台である瞻星台(チョムソンデ)や多くの歴史書に残されている天文現象の記述から、韓国の歴代の為政者が天文に深い関心を寄せていたことがよく理解できました。また、韓国が国際共同研究として進めている東アジア電波観測網や大マゼラン光学望遠鏡などの大型プロジェクトが紹介され、韓国の天文学が大きな発展を遂げていることも実感できました。歴史的に深いつながりを持つ韓国と日本が協力して天文学を発展させてゆくことの重要性にも言及され、今後の研究協力を進める上で意義深い講演会でした。

文責 物理・情報科学科 輪島清昭

 

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写真1: 金奉奎博士。朝鮮半島の歴史書について説明しています。

 

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写真2: 同じ「漢字の国」の皆さんが興味深く講演を聴いています。

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