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[2017/7/3] 佐々木由香さんらの論文が国際誌”Resource Geology”のBEST ARTICLE AWARD2016を受賞

[2017/7/3] 佐々木由香さんらの論文が国際誌”Resource Geology”のBEST ARTICLE AWARD2016を受賞

         賞状授与の様子

2015年3月に大学院理工学研究科地球科学専攻で修士号を取得した佐々木由香さんらの論文が,資源地質学会にてBEST ARTICLE AWARD2016を受賞されました。これは資源地質学会刊行の国際誌”Resource Geology”に1年間に掲載された論文のうち最も優秀と認められるものに授与される賞です。地球科学分野から,筆頭著者の佐々木由香さんに加え,指導教員である今岡照喜教授,共同研究者の永嶌真理子准教授も共著者として受賞しました。6月21日に東京大学で行われた資源地質学会で表彰式ならびに受賞講演が行われました。

対象論文

Sasaki, Y., Imaoka, T., Nagashima, M., Nakashima, K., Sonehara, T., Yagi, K., and Itaya, T. (2016): The Cretaceous Ofuku pluton and its relation to mineralization in the western Akiyoshi Plateau, Yamaguchi Prefecture, Japan. Resource Geology, 66, 85-113.

今岡教授のコメント

研究指導をした院生の論文が受賞したのははじめてで,大変嬉しく思います。この受賞が現役の院生のはげみになればと思います。於福地域の露頭状況は必ずしも良くなく,そのような恵まれない条件の中で1つの露頭も見逃すまいと大地にへばりついて観察していた佐々木さんの姿を想い出しました。

論文の概要

山口県秋吉台周辺には長登鉱山や大和鉱山をはじめとして多くの鉱山が分布している。これらの鉱山は古くより大量の銅や鉛鉱石を産し,奈良の大仏や皇朝十二銭の原材料として使われた可能性が高いことが考古学分野の研究によって分かってきた。また,山口県には古代の鉱山跡だけでなく,鋳銭司跡・製錬遺跡なども見出されており,一大先進鉱工業地帯であったと考えられることから,本学においては山口学研究の一環として「古代テクノポリス山口」の解明が進められている。一方,地球科学分野において上記の鉱山に関しては,Kato(1916)以降,1世紀にわたり鉱床学な研究がなされてきたが,鉱床形成に寄与したと考えられる火成岩に関しては,ほとんど研究が行われていなかった。そこで本研究では,秋吉台西方の於福地域に分布するプルトン(於福プルトン)について地質調査,岩石のモード測定,岩石や鉱物の化学分析,帯磁率測定,K-Ar年代測定および流体包有物の観察を行い,火成作用と鉱床形成との関連について検討を行った。
その結果,①於福プルトンは細粒―中粒のトーナル岩から花崗岩で構成される板状形態の小さな累帯プルトンであること,②アプライト脈を除き,火成岩どうしには貫入関係は認められないこと,③イルメナイト系列の火成岩からなること,④角閃石や黒雲母のK-Ar年代から,於福プルトンはおおよそ9800万年-1億年前に形成されたこと,⑤プルトン内部に基盤岩ゼノリスや苦鉄質火成包有岩は非常に少なく,同化作用やマグマ混合・混交現象は主要なプロセスではないこと,⑥於福プルトン構成岩石の多様性をもたらした主要な原因は,分別結晶作用であること,そのことはマスバランス計算によっても確認されること,⑦本岩体は非常に多くの流体包有物を含んでおり,充填度の異なる気液2相包有物や塩類の娘結晶の存在から,沸騰現象を起こし塩濃度の高い流体が発生したと考えられること,が明らかとなった。
塩濃度の高い流体の存在は金属の濃集に寄与することから,本岩体が周囲に鉱化作用を与え鉱床を形成する要因となった可能性が高いことなどを議論した。

 



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