2018年6月13日

日本が世界に誇る鉄道「新幹線」、私も旅行、出張等々でよく利用します。とても便利です。新山口→広島間は30分、新山口→博多間で40分弱、新山口→新大阪間は2時間。前回の学部長のつぶやきで紹介しましたが、在来線の特急では山口→松江は3時間半、もしもこの区間に新幹線があれば所要時間は1時間程度だろうと思います。

岡山駅付近を通過する山陽新幹線「のぞみ」と「さくら」

 

初めての新幹線である東海道新幹線が開通したのは前回の東京オリンピックの年の1964年10月1日。私と同い年。その後、山陽新幹線が博多まで開通したのは1975年。現在まで新幹線は新しい車両が開発される度に高速化されました。今では山陽新幹線で最高速度300 km/hであり、新幹線の最高速度は東北新幹線の「はやぶさ」や「こまち」の320 km/hだそうです。そこにはさまざまな技術の進歩があったに違いありません。

外国の方が新幹線を利用して驚くのは、正確なダイヤ(英語のdiagramの略)と運転間隔の短さだそうです。最も過密な時間帯では3分間隔で運行されています。以前新幹線に乗っているときに、電車の運行間隔はどの程度まで短くすることができるのかを素人なりに考えてみたことがあります。学生さんにはいつも「最初から無理とは考えず、いろいろな場面で自分の持っている知識を展開させどうにか考えようとしよう。その分野に詳しくなくても、意外にもある程度までは考えることができるし、新しい知識を獲得するチャンスもうまれる。」と、えらそうなことを言っている手前、自分でも実践はしています。

以下、厳密には間違っているかもしれませんし、実際は他にもいろいろと考えなければならないことがあろうかと思いますが、その点、素人の考えなのでご容赦ください。通常新幹線は複線なので上りと下りの行き違いは無視し、駅で停車することを無視すれば、すべての列車が同じ位置では同じ速度になるように運行すれば衝突することはありません。これは運行ダイヤグラム(時刻と位置の関係:以下ダイヤ)においてすべての列車の運行を表す線が平行であることに相当します。2つの列車の線が交わる(=2つの列車が同じ時刻に同じ位置にいる)ことは衝突を意味します。次に駅で停車することを考慮する必要があります。この場合、停車できるホームは1つであるとします。新幹線の停車時間は1分なので、最低限1分間の運行間隔は確保する必要があります。もちろん何かの事情で1分以上の停車時間を要する場合もありますし、乗降客の多い駅ではその分さらに余裕をみておく必要もあります。(確かに乗降客が多い駅では上りだけでも2つ以上のホームがありますね。)さらに走行中、何らかのトラブルで速度を落とす必要があります。そうなると後続の列車も同じように速度を落とさなければ衝突してしまいます。情報の遅延のリスクを考慮すると、さらに運行間隔をとっておく必要があります。安全係数諸々を考えると運行間隔3分が限界なのでしょう。それだけでなくもちろん乗務員がルールを徹底遵守しないと運行はできません。

このように考えると、今流行の人工知能(AI)を使えば新幹線は自動運転可能ではと素人は考えてしまいます。実際にはAIなど使わなくても現状のコンピュータ制御で自動運転は可能ですし、今もある程度は自動化されているようです。しかし、実際は新幹線の運転士は走行中にさまざまなことを計算し、微妙な速度調整等をしていると聞きます。安全面を考えると完全な自動運転は困難なのかもしれません。

岡山駅の新幹線上りホーム

23番と24番の2つのホームがある。最近は売店も大手コンビニが進出。

 

私が高校生のころ、友人といっしょに単線のローカル線の踏み切りで列車の通過待ちをしていました。そのとき列車が通過後も踏み切りの警報はそのまま鳴り続け、今度は反対方向に貨物列車が通過しました。それを見た友人が驚いて「なぜさっき列車が行った方向から貨物がくるのか?線路が1本しかないのに衝突しないのはなぜ?」と私に訊ねました。その友人は田舎育ちで鉄道を見る機会が少なかったようです。踏み切りの近くに駅があり、そこでは反対向きの列車がすれ違うための設備があることを説明してやると友人は納得しました。今となっては笑い話ですが、その友人の論理的に考えて自分自身の疑問を解決しようとする姿勢、大切ですね。あっぱれ!

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