2018年

2018年7月18日

先日は大学時代の同窓会に参加しました。私は山口大学を卒業しております。したがって、必然的に大学時代の同窓会は山口で開催される場合が多いです。同窓生の皆さん、やはり学生時代を過ごした山口を訪問する機会がほしいようで、今回も山口開催でした。

そのうちの一人が早めに来るというので新山口駅まで迎えに行き、久しぶりに二人で大学の食堂、いわゆる「学食」でお昼ご飯を食べました。私自身は、若い学生たちに混ざって学食でご飯を食べるのは日常なのですが、製造業の開発部長をしている彼にとっては、若い学生たちに混ざっての食事は久々の新鮮な体験だったようです。「学生は若くて元気でいいなあ。」と喜んでいました。

同窓会までは時間があったので、瑠璃光寺に行きました。瑠璃光寺には国宝五重塔があります。大内氏前期全盛の頃、26代大内盛見が兄25代大内義弘の菩提を弔うため、建立したと言われております。15世紀前半の室町時代ことです。今の山口市は、室町時代は守護大名大内氏の館があったところで、当時は京都につぐ繁栄していた町だったそうです。しかし、毛利氏が関ケ原の合戦に負けて以降の江戸時代は、萩が城下町となったこともあり、山口はあまり歴史上の表舞台には出てきません。しかし、江戸時代の末期になって再び歴史上の舞台となりました。

瑠璃光寺のある一帯を香山公園と呼びますが、その中に「沈流亭」があります。沈流亭は今の山口市の道場門前商店街にあったものが移築されて香山公園にあります。沈流亭は幕末薩長連合を推進するために1867(慶応3)年9月、この建物の2階で、坂本龍馬、木戸孝允、伊藤博文、大久保利光、西郷隆盛、小松帯刀等が密議をした場所らしいです。結局、盟約がなって、幕府を倒す連合討幕軍の結成につながったと言われております。

山口市内に住む他の同級生も呼び出し、その沈流亭の二階の畳の間に三人で座り、学生時代のこと、同級生のその後のこと、そして自分自身の近況について、夏の昼下がりのゆっくりとした時間の流れの中で語り合いました。学生時代は物理学の試験をどう乗り切るかとか異性や趣味のことばかり語り合っていた三人。薩長同盟の密議の場所で、少しは成長して大人になり、髪の毛はすでに真っ白になったおやじ三人が語り合う姿、なんだか絵になっていませんか? 窓の外には五重塔も。室町時代と江戸末期がコラボする風景、なかなかでした。よい時間を過ごしました。

休日にこの場所で研究のことをゆっくりと考えるのもよいなと思いました。みなさんもいかがですか。

2018年7月4日

6月25日(月)は数理科学の教員からの紹介で、山口市の郊外の徳地(とくぢ)地区に伝わる徳地和紙の工房、千々松和紙工房を訪問しました。徳地和紙の製作・加工・販売とPRの活動をされている船瀬春香さんと教員の奥様がお知り合いであり、以前、教員から「和紙」つくりの技術と私の専門である高分子物理学が関係ありそうだということを教えていただきました。船瀬さんは5月まで地域おこし協力隊で『徳地和紙の伝統と技術の継承』の活動をされていた方です。詳しくはこちらをご覧ください。千々松和紙工房の千々松友之さんは、元々エンジニアをされていた方ですが、今は故郷に戻ってこられ、実家の和紙工房を継承されておられます。

当日は、ソフトマター物理学(化学物理)の専門家の堀川裕加講師と堀川講師の指導する大学院生および4年生の総勢4名で訪問させていただきました。

伝統的な和紙の原料は楮(こうぞ)や三椏(みつまた)といった植物の樹皮(内皮)の繊維です。実際に画像のように楮や三椏が工房の畑で栽培されておりました。三椏という名前は、画像のように枝が三又に分かれることが語源のようです。秋に原木を収穫し、樹皮を剥がして保存するそうです。

この樹皮を原料にさまざまな工程を経て和紙が完成します。その中で特殊な工程を使い分けることで、いろいろな種類の和紙を作り分けます。その特殊な工程は職人さんの経験によって見出されたものですが、説明を聞いていると確かに私の専門分野である高分子物理学に密接に関係していると思いました。紙の主成分はセルロースという多糖類の高分子です。要するに紙は高分子でできています。和紙作りはその高分子繊維の凝集形態を物理的にあるいは化学的にいかに制御するかで成り立っているようです。昔の職人さんは試行錯誤からその制御方法を確立し、その技術が現在まで伝承されてきたわけです。話を聞いていると、なるほどと納得できる理に適った工程がいくつもあることに気づきました。堀川講師の専門分野に関連することも多く、私たちはそれを実際に科学的に検証してみたいということになりました。実際に試料として原料や和紙をご提供いただきました。工房には伝統的な機械に混じって、元エンジニアのご主人のアイデアで開発された新しい機械もありました。とても興味を持って見学させていただきました。

私は、現在、「山口学研究プロジェクト」に参加し、文化財修復に使われる膠(にかわ)の凝集構造についての研究を行っています。こちらもある方から「やってみない?面白いし、とても重要な意義のある研究ですよ。」と勧められたのがきっかけで行っている研究です。高分子物理学の研究、もちろん対象としているのは「もの」ですが、いろいろな方たちとの縁、人と人とのつながりがきっかけとなっているものがほとんどです。さまざまな方とのコミュニケーションからも新しいものが生まれていくものですね。

2018年7月2日

623日(土)は恒例となった「第7回理学部長杯ソフトボール大会」が開催されました。この大会は、理学部の数理、物理、情報、化学、生物、地球科学の6つの分野から学生と教員がチームを作って参加するものです。前年度優勝の物理チームと事務部が幹事でした。私は物理チームでもあり、主催者でもあるので、大会運営にフル稼働でした。

毎年、この梅雨時期に開催しているこの大会、自称「晴れ男」の前学部長の任期中4年間、雨の天気予報にもかかわらず奇跡的に雨天中止はありませんでした。さて、今年は?

前日までの天気予報は「雨」で降雨確率80%。「学部長が交代したとたんに雨で中止」の暗雲漂う中、遠足前の子どものように早朝から目が覚めました。すぐに寝室から外を確認すると「雨は降っていない!」。学部長になって二ヵ月半、いろいろな場面で不安を感じることやほっとすることがありましたが、このときほど「強い不安の後の大きな安心感」を感じたことはありませんでした。

実際のソフトボールの試合では好プレーあり、珍プレーありでしたが、みなさん楽しみながらプレーしたり応援したりしていました。画像のようにとてもソフトボールの試合とは思えないような試合結果もありました。教員も事務職員も若い学生さんたちといっしょにプレーを楽しみました。日ごろは決して見せないようなとても素敵な笑顔を振りまいている教員もいました。

 

さて、結果は。過去の6回は数理、情報、物理が優勝しています。今年は、地球科学チームと化学チームが決勝戦。両チームとも優勝すれば初優勝。結局、地球科学チームが悲願の初優勝。私は物理・事務連合で参加し監督を務めました。投手をした1試合目は最終回に逆転さよならゲームで勝ち。でも2試合目は優勝した地球科学チームに敗れてしまいました。

天気も最後まで崩れることなく、大きなけが人も出ず、無事に大会も終了。最近の学生は小集団の中に閉じこもる傾向が強いといわれる中、各チームとも学年の壁を越えた学生が集い、そこに教員が参加することで一丸となり、ソフトボールを通じて懇親できたことが最も大きな収穫でした。最近、企業等では一時期やめていた運動会や球技大会等を復活させるところがあるとのことです。組織のミッション遂行のための一体感を作るためにはこのような行事も一定の役割を果たすとか。皆さんが一体となって楽しんでいる姿を実際に見ていると、それも一理ありかなと思いました。これを機会に、今度は学科の壁を越え、オール理学部でさまざまなことに取り組んでいきたいと思います。

最後に、私は来年は優勝をめざします!

2018年6月27日

現在の国立大学はさまざまな地域貢献事業を行っております。理学部長になるとそのような行事に参加する機会が増え、新しい経験をする機会ができます。6月16日(土)17日(日)の2日間は山口県教育委員会が主催する「やまぐちサイエンスキャンプ」が山口大学理学部と山口県セミナーパークを会場として開催されました。山口大学理学部では毎年この行事に協力しております。

今回は75名の県内の高校生が参加し、合宿形式で数学・物理・化学・生物・地学の5分野のいずれかの講座を2日間受講し、先端科学の学びや実験・巡検などを体験しました。理学部からはそれぞれの講座の講師として何人かの教員に協力いただきました。各講座、参加した高校生が少しでも興味を持つように、さらに理解しやすいように工夫されておりました。参加した高校生は、疑問が生じるとその場で積極的に質問しながら熱心に課題に取り組んでいました。

全体行事で参加者にご挨拶をさせていただいた後に、物理と化学の講座を見学しました。物理の講座は私も過去に担当したことがあります。今年はベテランの朝日教授にご担当いただきました。朝日教授の講義は、理学部の学生からも理解し易いという感想がよく聞かれます。この度もとてもわかりやすい説明をされており、今後講義をする上でとても参考になりました。よい講義のやり方は遠慮なく使わせていただきます。

1日目の夜は、参加者がグループに分かれて出された課題にチャレンジする「サイエンス・ナイト」も行われました。高校生は他校の生徒同士の混成のグループに分かれ、出された課題に対して積極的な議論を戦わせました。私も物理のグループのファシリテータとして参加しました。高校生には事前に課題を出しておき、当日までに何らかの答えを考えておいてもらうやり方でした。私の出しておいた課題は、高校生にはとても難しい課題であり、さらに突っ込みどころ満載。「これって答えが出るの?」と思われるような不完全なものでした。正直に申し上げると高校で習う範囲の数学や物理では歯が立たなかったはずです。高校生たちには「自分たちの直感を大切にし、持っている知識をフル稼働させて突破口を探せばどうにかなることもある。」ということを経験してほしかったのですが、まさに想定どおりの流れになりました。すっきりと答えが出るわけではないけど、持っている知識と直感をもって挑み「なんとなくこうなりそう」程度の答えに行きつきました。私としては大成功!「他者と議論しながらお互いの知恵を出し合って課題を解決していくことの楽しさや達成感を感じた。」という感想が聞かれ、私としては「にんまり」でした。

行事が終わって思ったこと。私が高校生のときにこのような行事があったら参加していただろうか。好きな音楽に明け暮れ、友人たちとの遊びに没頭していたあの頃、おそらく参加していなかっただろうなと思います。そういう意味では、チャンスを逃さずにこのような行事に積極的に参加する高校生たちには感心させられます。あっぱれ!お世話いただいた関係者の皆様もありがとうございました。

2018年6月13日

日本が世界に誇る鉄道「新幹線」、私も旅行、出張等々でよく利用します。とても便利です。新山口→広島間は30分、新山口→博多間で40分弱、新山口→新大阪間は2時間。前回の学部長のつぶやきで紹介しましたが、在来線の特急では山口→松江は3時間半、もしもこの区間に新幹線があれば所要時間は1時間程度だろうと思います。

岡山駅付近を通過する山陽新幹線「のぞみ」と「さくら」

 

初めての新幹線である東海道新幹線が開通したのは前回の東京オリンピックの年の1964年10月1日。私と同い年。その後、山陽新幹線が博多まで開通したのは1975年。現在まで新幹線は新しい車両が開発される度に高速化されました。今では山陽新幹線で最高速度300 km/hであり、新幹線の最高速度は東北新幹線の「はやぶさ」や「こまち」の320 km/hだそうです。そこにはさまざまな技術の進歩があったに違いありません。

外国の方が新幹線を利用して驚くのは、正確なダイヤ(英語のdiagramの略)と運転間隔の短さだそうです。最も過密な時間帯では3分間隔で運行されています。以前新幹線に乗っているときに、電車の運行間隔はどの程度まで短くすることができるのかを素人なりに考えてみたことがあります。学生さんにはいつも「最初から無理とは考えず、いろいろな場面で自分の持っている知識を展開させどうにか考えようとしよう。その分野に詳しくなくても、意外にもある程度までは考えることができるし、新しい知識を獲得するチャンスもうまれる。」と、えらそうなことを言っている手前、自分でも実践はしています。

以下、厳密には間違っているかもしれませんし、実際は他にもいろいろと考えなければならないことがあろうかと思いますが、その点、素人の考えなのでご容赦ください。通常新幹線は複線なので上りと下りの行き違いは無視し、駅で停車することを無視すれば、すべての列車が同じ位置では同じ速度になるように運行すれば衝突することはありません。これは運行ダイヤグラム(時刻と位置の関係:以下ダイヤ)においてすべての列車の運行を表す線が平行であることに相当します。2つの列車の線が交わる(=2つの列車が同じ時刻に同じ位置にいる)ことは衝突を意味します。次に駅で停車することを考慮する必要があります。この場合、停車できるホームは1つであるとします。新幹線の停車時間は1分なので、最低限1分間の運行間隔は確保する必要があります。もちろん何かの事情で1分以上の停車時間を要する場合もありますし、乗降客の多い駅ではその分さらに余裕をみておく必要もあります。(確かに乗降客が多い駅では上りだけでも2つ以上のホームがありますね。)さらに走行中、何らかのトラブルで速度を落とす必要があります。そうなると後続の列車も同じように速度を落とさなければ衝突してしまいます。情報の遅延のリスクを考慮すると、さらに運行間隔をとっておく必要があります。安全係数諸々を考えると運行間隔3分が限界なのでしょう。それだけでなくもちろん乗務員がルールを徹底遵守しないと運行はできません。

このように考えると、今流行の人工知能(AI)を使えば新幹線は自動運転可能ではと素人は考えてしまいます。実際にはAIなど使わなくても現状のコンピュータ制御で自動運転は可能ですし、今もある程度は自動化されているようです。しかし、実際は新幹線の運転士は走行中にさまざまなことを計算し、微妙な速度調整等をしていると聞きます。安全面を考えると完全な自動運転は困難なのかもしれません。

岡山駅の新幹線上りホーム

23番と24番の2つのホームがある。最近は売店も大手コンビニが進出。

 

私が高校生のころ、友人といっしょに単線のローカル線の踏み切りで列車の通過待ちをしていました。そのとき列車が通過後も踏み切りの警報はそのまま鳴り続け、今度は反対方向に貨物列車が通過しました。それを見た友人が驚いて「なぜさっき列車が行った方向から貨物がくるのか?線路が1本しかないのに衝突しないのはなぜ?」と私に訊ねました。その友人は田舎育ちで鉄道を見る機会が少なかったようです。踏み切りの近くに駅があり、そこでは反対向きの列車がすれ違うための設備があることを説明してやると友人は納得しました。今となっては笑い話ですが、その友人の論理的に考えて自分自身の疑問を解決しようとする姿勢、大切ですね。あっぱれ!

2018年6月8日

「学部長のつぶやき」の5稿目を校了し、さて次は何をつぶやくかと考えていた矢先、理学部副学部長の山中明教授(生物学:ちょうちょの研究者)から以下のような文章をいただきました。そういえば、学部長のつぶやきを書き始めた際に、山中副学部長に「たまには代役で投稿してください。」とお願いしておりました。とてもよい文章ですね。(隠されたメッセージもありそうですが、それは私だけが受け止めさせていただき、今後の学部長業務にいかそうと思います。)

 

「卯月」から「皐月」へ

 

“初々しさ、瑞々しさ”を感じる 卯月
新入生を迎え入れ、上級生はひとつ階段を上がる

 

“ほろ苦さ、青臭さ” を感じる 卯月
感覚を研ぎ澄まし 草木の芽吹きに酔いしれる

 

十二分の一が過ぎ “自立、逞しさ”の兆しが見え隠れする 皐月
“初々しさ、瑞々しさ”は 脱ぎ捨てられる

 

十二分の一が過ぎ、“成長、清々しさ”を感じる 皐月
“ほろ苦さ、青臭さ”は 新緑の世界へ

 

理学の若人よ “学”の芽に注がれている 純粋な水を楽しもう
数学・物理・情報・生物・化学・地学にまつわる 粋な水

 

最近はお好みで 高大接続・地域貢献・国際連携フレーバーのチョイスあり

 

改革に翻弄されることなく

必ず飛来する使い 皐月甘酸っぱい世界も あちこちで広がりはじめている 皐月

 

翻弄されることなく じっくりと Scienceに浸ろう そんな 皐月がいい

 

 

「学部長のつぶやき」 ならぬ 「副学部長のぼやき」 かな

2018年6月5日

慣れない学部長業務に追われる中、5月23日(水)から25日(金)まで名古屋国際会議場で開催された高分子学会年次大会に1日だけ参加しました。研究室の大学院生が研究成果を発表しました。準備指導の時間が十分でなかったにもかかわらず大学院生は立派な発表をしてくれました。

第67回高分子学会年次大会(名古屋国際会議場)の看板とイベントボード
(最上段のイベントは学会とは関係ありません)

 

翌日は再び理学部長業務に戻りました。名古屋市からお隣の島根県松江市に移動し、5月24日と25日の2日間は「国立大学法人16大学理学部長会議」に出席しました。この会議では、国立大学の理学部の共有するいろいろな課題に対して情報や意見を交換します。他大学の課題への取組み等を知ることができ、とても有意義な会でした。参考にすべき事例もありましたので、今後、山口大学理学部でも検討したいと思います。夜も情報交換会があり、そこでは他大学の理学部長の先生方の本音も聞けました。当番大学の島根大学の方のはからいで島根県の地酒も試飲できました。


島根県松江市は江戸時代の城下町であり、松江城は江戸時代初期に築城されました。今は国宝に指定されています。したがって松江の町は江戸時代以降の町だそうです。ちなみに山口大学理学部のある山口市は室町時代の守護大名であった大内氏の本拠地として栄え、当時は京都や大阪につぐ人口であったそうです。その栄華は江戸時代には一旦衰退しましたが、幕末に再び歴史上の舞台となり、今は県庁所在地です。以上のように山口は江戸時代の城下町とは言えません。(幕末には山口城が今の県庁付近に作られはしましたが。)松江市と山口市、同じ地方の県庁所在地ですが、その歴史は違うようです。中国地方の松江市、鳥取市、山口市の3つは山梨県甲府市を含め全国の県庁所在地の人口ランキングで少ない方のベスト4を常に争っています。
会議終了後はすぐにJR伯備線の「やくも」に飛び乗り、岡山経由で山口に帰りました。通常はJR山陰本線とJR山口線経由する特急「スーパーおき」で帰るところですが、仕事と時間の関係で今回は岡山経由を選択しました。画像は車内から撮影した中国地方最高峰「大山」です。大山は「大山隠岐国立公園」に指定されております。日本で3番目に指定された国立公園です。大山は古く奈良時代から信仰の対象とされており、今年開山1300年を迎えるそうです。標高1729mの成層火山であり、その山容から「伯耆富士」と呼ばれます。私はスキーが趣味ですが、初めてスキーをしたのは大山だったので、思い入れのある山です。この大山ですが、近年、山頂付近の崩壊が問題になっているようです。大山はもともと火山ですので、噴火、崩壊、浸食などのさまざまな自然現象の末、今の姿になっているのでしょう。車窓から大山を眺めながら、自然の中の人間、いつでもどこでも自然とのお付き合いは必須事項であり、そのためには人間にとって自然を理解することはいつの時代も重要なことだと再認識させられました。
山口→名古屋は新幹線で3時間弱。それに対して名古屋→松江は岡山経由で約4時間半、お隣の島根県の県庁所在地の松江から山口まではJR山口線の特急で3時間半、岡山経由で新幹線を使っても4時間強、世界に誇る高速鉄道である「新幹線」の威力を見せつけられる移動でした。

JR伯備線の特急「やくも」の車窓から眺める中国地方最高峰「大山」

2018年5月10日

大型連休の後半の5月5日(土)はSLやまぐち号を見に行きました。SLとはsteam locomotiveの略で蒸気機関車のことですね。旧日本国有鉄道(国鉄:現JR)ではSLの運転は1975年(昭和50年)に終了しましたが、1979年(昭和54年)8月1日に山口線の小郡(現 新山口)駅と津和野駅(山口県ではなく島根県です)の間で運転を復活させました。それがSLやまぐち号です。私は当時高校1年生であり、鉄道好き、いわゆる「てつ」の友人に誘われて乗りました。実はそれ以来、乗ったことがありません。山口在住でありいつでも乗れると思うとなかなか乗りません。似たようなことが皆さんもあると思います。

蒸気機関は1世紀くらいにその発想はあったようですが、実際に作られたのは17世紀から18世紀のイギリスです。物理学の「熱力学」が応用されています。ジェームス・ワットが18世紀半ばに開発した蒸気機関は有名ですが、それまでにさまざまな発明家や技術者による開発があったようです。ワットの開発した新方式の蒸気機関は産業革命の原動力となったことは知っておられると思います。SLは19世紀初頭にイギリスでこの蒸気機関を台車に載せ、鉄道を走らせようとしたものが最初の開発らしく、その後にジョージ・スチーブンソンが作った「ロケット号」は有名です。近代技術革新の賜物ですね。

この連休中は、SLやまぐち号はD51(デゴイチ)とC56(ポニー)の重連運転であることをニュースで知って見に行きました。JR山口線の沿線は多くの人がSLの通過を待ち構えていました。SLファンといえば年輩の方が多いというイメージがありましたが、実は、子どもや若者も多いのです。SLの子どもたちを引きつける魅力は今も昔も変わりなし。

何度も見たことのあるSLではありますが、実際に間近で走り過ぎる勇壮な姿を見るといつも感動します。D51とC56の両方が時間差をつけて汽笛を鳴らしてくれました。電車とは違っていろいろなパーツが裸になっており、動くしくみがわかりやすいです。その動きは頑張って走っている生き物のようでもあるし。今の時代、いろいろな工業製品の機能やしくみが高度になり、素人にはブラックボックスだらけ。もちろんSLが走るしくみも複雑ではありますが、まだ見ていてわかりそう。そこにも魅力があるのだと思います。私自身、ブラックボックスは嫌いであり、研究室の学生にはいつも「ブラックボックスをなくそう」と働きかけております。自然のブラックボックスをなくしていくこと、まさに自然科学の目的とすることですね。

せっかくSLが近くで走っているところに住んでいるのだから今後もSLを見守っていきたいと思います。学生の皆さんには山口大学にいる間に、SLやまぐち号に是非、乗ってみていただきたいものです。

 

2018年5月7日

大型連休は比較的天気もよく、あちこちでいろいろな催しが行われましたね。私も初日の4月28日(土)は、山口市内の公園で開催されていた山口オクトーバーフェスト2018に学部スタッフの皆さんと出かけてみました。オクトーバーフェストは200年の伝統をもつドイツ・ミュンヘンのお祭りで、毎年9月半ばから10月上旬に開催され、約600万人が参加するそうです。19世紀初頭にバイエルン王国の皇太子の結婚祝いのお祭りが始まりらしいです。このお祭り知る人ぞ知る世界最大級の「ビール祭り」です。

まだ若き頃、初めてのドイツで飲んだビールがとても美味しかったのをよく覚えております。ビールだけでなく初めて見るヨーロッパの国、感動するものばかりであり、特にヨーロッパの長い歴史を感じさせる豊かな国だと感じたことを今も思い出します。実際に体験する異国の地、いろいろな感動があるものです。

そのドイツのビールが飲めるというので、学部スタッフの皆さんに誘われて山口オクトーバーフェストに行ってみました。(実は誘われなくても一人で行くつもりでしたが。)天気がとてもよく、ビールやソーセージがとても美味しかったです。スタッフの皆さんとも楽しい話で盛り上がりました。ドイツのバンド演奏もあり、来場の皆さんとても盛り上がっていました。理学部長に就任して1ヶ月、仕事の疲れが少々溜まっておりました私ですが、よい気分転換ができました。このオクトーバーフェストは日本全国で開催されるようですね。

2018年4月24日

画像は理学部1号館から見た北側の現在の風景です。大学キャンパス内は街角と同様、どこかで工事が行われています。最近は大学の予算が激減していますので、新築工事は減りましたが。さて、この画像、実は工事の前のある調査をしている様子です。理学部のある山口大学吉田キャンパス(山口市の本部があるキャンパス)は、「吉田遺跡」と呼ばれ、旧石器時代から江戸時代にかけての埋蔵文化財があるそうです。したがって新しい建物を建設する前には、必ず事前に発掘調査をするようになっています。山口大学には埋蔵文化財資料館という施設があり、遺跡の調査及び保護に努めています。

発掘調査をしているということは新しいものが建設される予定があるということです。この場所には、新しい福利厚生施設ができるそうです。山口大学が目指すダイバシティーキャンパスをコンセプトにする施設です。性別、人種、年齢等の違うさまざまな人が集い、お互いを受け入れながら充実した大学生活を送ってもらうことを目的とする施設のようです。完成後は主に山口大学生協が運営します。大学生協にお願いして完成後のイメージ画像をいただきましたので掲載させていただきます。1階にはフードショップ、2階にはブックショップやツアーカウンター、留学生カウンターなどのサービスカウンターができる計画だそうです。

昔の人が生活していた場所に、長い年月を経て、このようなすばらしい施設ができる。それもコンセプトはダイバシティー。なんとなくいい感じですね。もちろん当時の人は未来にこのようなものができるなんてまったく予想はしていなかったことでしょう。大学生はこのような施設を積極的に活用し、充実した学生生活を送って欲しいと思います。完成予定は2019年1月だそうです。

山口大学の中には一般の方にも見ていただける施設、ご利用いただける施設があります。例えば附属図書館も手続きをすればご利用いただけます。

理学部でも一般市民の皆さんに向けた行事を開催します。是非、山口大学にお越しください。

理学部1号館から北側を眺める

ダイバシティーキャンパスをコンセプトとした新しい福利厚生施設(山口大学生協から提供)

2018年4月10日

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