環境生物学研究室

「蝶の季節・環境適応機構と表現型可塑性 」

教員

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山中 明  教授

Akira YAMANAKA

mail:yamanaka[at]yamaguchi-u.ac.jp
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研究内容

 我々の研究室では、チョウが季節や環境の変化によって、自身の形態や色彩を変化させる表現型可塑性の調節機構の解明を目指しています。たとえば、サカハチチョウの翅の色彩パターンは、オレンジ色の春型と黒色の夏型の2型を示します(図1)。また、蛹の体色は、蛹になる場所で感受した環境要因によって変化します。ナミアゲハでは蛹になる場所の背景色や粗滑、葉の匂いの有無、温度や日長など、様々な環境要因が蛹の体色変化をもたらします(図2)。当研究室では世界に先駆けて、夏型ホルモン・蛹表皮褐色化ホルモン・オレンジ色蛹誘導化因子という3種類のホルモンが翅や蛹の色彩をコントロールしていることを発見しました。現在、これらホルモンの分子構造の解明や他の形質を変化させるような新規な生理活性物質の発見を目指し、様々なチョウ類を材料にして研究を推進しています。チョウは身近な生き物ですが、未解明な生命現象の宝庫でもあります。その他にも、共同研究者らとともに海産無脊椎動物の進化発生学的研究やバングラデシュ産のチョウ・ガ類の生理生態学的調査研究も行っています。

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図1.サカハチチョウ成虫の季節型(左)春型成虫、(右)夏型成虫。成虫が出現する季節の違いによって、翅の色彩パターンが別種と思われるほど異なる。夏型成虫となるには脳で産生される夏型ホルモンの分泌が必要である。

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図2.ナミアゲハの非休眠蛹の表現型可塑性(左)緑色蛹、(中央)褐色蛹、(右)ゲル濾過による蛹表皮褐色化ホルモンの分離。ナミアゲハの蛹の体色は、蛹になる場所等の環境条件の違いによって決定され、褐色蛹になるためには蛹表皮褐色化ホルモンの分泌が必要である。

Selected publications

  • Yamanaka, Akira*, Yuki Takuwa, and Chisato Kitazawa: “Experimental hybridization of sympatric temnopleurid sea urchins living in Yamaguchi, Japan.” Zoosymposia 15, no. 21 (October 2019): 212-228.

  • Yamamoto Hibiki, Kana Hiraki, Hiroyuki Takemoto, Wataru Kojima, Chisato Kitazawa, Manabu Hori, and Akira Yamanaka*: “Unique egg-laying behavior of the butterfly Arhopala japonica (Lepidoptera: Lycaenidae) in captivity.” Chugoku Kontyu no.31 (March 2018): 19-28.

  • Yamashita, Kae, Koji Kanzaki, Mami Hinauchi, Tetsuro Fujishima, Abu Taher Md Fayezul Islam, Chisato Kitazawa, Katsuhiko Endo, and Akira Yamanaka*: “Changes of seasonal morph development induced by surgical operations in pupae of the large map butterfly Araschnia burejana Bermer (Lepidoptera: Nymphalidae).” Journal of Experimental Zoology Part A-Ecological Genetics and Physiology 321, no. 5 (June 2014): 276-282.

  • Yamanaka, Akira*, Yuki Tsujimura, Yusuke Oda, Terumasa Uchiyama, Miwako Kometani, Kazuaki Yamamoto, and Chisato Kitazawa: “Regulatory mechanisms in phenotypic plasticity ofdiapause and nondiapause pupal colouration of the swallowtail butterfly Papilio machaon.” Physiological Entomology 38, no. 2 (June 2013): 133-139.

  • Yamamoto, Kazuaki, Yuki Tsujimura, Miwako Kometani, Chisato Kitazawa, Abu Taher Md Fayezul Islam, and Akira Yamanaka*: “Diapause pupal color diphenism induced by temperature and humidity conditions in Byasa alcinous (Lepidoptera: Papilionidae).” Journal of Insect Physiology 57, no. 7 (July 2011): 930-934.